夜のお仕事の経営者と人件費・外注費の概念

私のような一介の税理士は、東京・銀座のクラブなどとは無縁ではありますが、たまにクラブやスナックのママさんやオーナーさんから質問を受けます。

一番多いのはやはり働いているスタッフの人件費や外注費の件。かなりごそっと基本概念が抜けている方も多く、現金商売でもあるので税務調査の際には追徴課税リスクが大きく出てきます。

①人件費なのか外注費なのか

六本木や麻布などのホステスさんの多くは外注費として10.21%を控除された額を受け取っている人が多いようです。しかし、これはあくまで外注費<業務委託>として扱う場合の処理になります。でも、ちょっと待ってください。

人件費なのか外注費なのかは経営者が勝手に選べるようなものではありません。実態判断にはなりますが、スタッフを時間管理していたり、ママの指示のもとでホステスさんが働いているような場合は業務委託とはいえず、雇用契約になるでしょう。

そうなれば、外注費ではなく給与扱いです。

ちなみに税務署は給与にしたがります。外注費と給与の大きな違いは、消費税です。逆に事業主さんは、外注費にするほうが消費税が安くなるので、みんな外注費にしたがります。

 

②給与で源泉所得税を控除する必要があるのか

たまに、源泉所得税を控除するのを忘れたとか、こういう商売だから源泉所得税を控除しなくていいのかと思っていたとか、色々聞かれることがあります。仕事の内容如何で税金を払わなくていい、払わなければならない、という話はリンクしません。

雇用契約を交わして雇用した従業員に給与を払い、その給与は以下の税額を控除して支払う必要があります。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2013/data/01.pdf

 

税理士業務をしていると、<給与から所得税を控除せずに支払ってしまってどうしよう?>という相談をよく受けます。

源泉徴収義務者<簡単に言うと所得税を国に納付する人>は経営者です。給与から天引きを忘れたとしても、関係ないです。

まずは経営者が支払って、後ででもいいから従業員からその分を取り返しなさい、という理屈になります。

 

しかし、夜の商売では、スタッフが急に辞めることもしばしば。失踪することもあるし、その後の居場所あ特定できないことも珍しくありません。こんな場合でも経営者は従業員の所得税を支払って泣き寝入りになるのか・・・・・・

税金の結論だけいうと、たとえ控除を忘れても従業員が確定申告すれば結論は同じになります。とはいえ、そんな殊勝な従業員は夜の世界にあまりいないようにも思います。

ということなので、この場合は、経営者が税務署に相談に行くべきだと思います。そして、従業員の住所と名前を伝えて、役所に方法を委ねるべきだと思います。

結論はケースバイケースですが、このままほっておくよりはいいと考えます。

 

 

 

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