会社種類とその相違点、会社設立に掛る費用

会社設立にあたっての基礎知識

会社設立にあたって、お客様から、以下の事項のご質問を多く受けます。
・株式会社以外の会社の設立も可能ですか?
・そもそも株式会社以外の会社には、どのようなものがあるのですか?
・株式会社とその他の会社とは、何が違うのですか?
・株式会社と合同会社では、税金面等で違いがあるのですか?
・会社を設立するためには、どの程度の費用が必要なのですか?

これらのご質問にお答えするために、

  1. 会社の種類」にはどのようなものがあるか。

  2. 株式会社」と「合同会社」との大まかな相違点
  3. 株式会社」「合同会社」の設立に掛る費用

について記載しました。一読していただけますと、ありがたいです。

 

 

1.会社の種類

現在、日本の会社には「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類があります。

ただし「合名会社」「合資会社」は、無限責任※1を負う出資者が必要であることから、現在、これらの会社を設立する人は殆どいないのが現状です。

したがいまして、ここでは、株式会社」「合同会社について、下記でその共通点と異なる点を簡単にご紹介いたします。

脚注

※1【出資者の無限責任と有限責任】
出資者の責任が無限責任であるということは、倒産した場合等、会社がその取引先(銀行、仕入先等)や従業員に対して会社財産を超える債務を負う場合には、出資者個人の財産も債務弁済に充てなければならないことを意味します。合名会社合資会社では、このような責任を負う「無限責任社員」が必要となります

他方、出資者の責任が有限責任であるということは、倒産した場合等、会社がその取引先や従業員に対して会社財産を超える債務がある場合でも、出資者は出資金を超える返済等は不要であることを意味します。株式会社合同会社では、このような責任を負う「有限責任社員のみで会社の設立が可能です。

 

 

2.「株式会社」「合同会社」の共通点

株式会社と合同会社では、以下のような共通点があります。

  株式会社 合同会社  POINT
①出資者 1人以上 1人以上 どちらの会社も、出資者が1人いれば設立可能です。
②出資者責任 有限責任 有限責任 会社が倒産したときなどは、会社債権者等に対して会社財産を超える債務がある場合でも、出資者は出資金を超える返済等は不要です。
ただし、銀行から借入をする場合等では、通常、経営者の個人財産等を担保提供していることが多いため、このような場合には、担保提供している経営者の個人財産も差押えられます。
③出資金額 1円以上 1円以上 従来は、株式会社では、資本金(出資金)は1,000万円以上であることが必要だったのですが、現在では、1円以上の出資金で、設立が可能です。
④税務上の取扱 株税務上の取扱が異なることはありません。  税務面での取扱に、株式会社、合同会社で特段の違いはありません。
⑤労務上の取扱 労務上の取扱が異なることはありません。 従業員を雇用する場合等、労働保険や社会保険上での取扱に、株式会社、合同会社で特段の違いはありません。

 

3.「株式会社」「合同会社」の異なる点

株式会社と合同会社では、下記のような異なる点があります。

  株式会社 合同会社  POINT
①出資者の名称 株主 社員 出資者のことを、株式会社では「株主」といい、合同会社では「社員」といいます。
これは名称の違いであり、実質的な出資者としての権利・義務等に違いはありません。
②経営者と出資者との関係 会社経営者は、出資者又は出資者以外でも可能。 会社経営者は、出資者でなければならない。 株式会社では、会社経営者は「出資者又は出資者以外」から決めることができます。
他方、合同会社では、会社経営者は「出資者」の中から決定しなければなりません。
ただし、設立時には多くの会社で、出資者が会社経営者となるため、実質的には、この違いは問題となりません。
③会社経営者の名称 代表取締役 代表社員 法律上、会社経営者のことを、株式会社では「代表取締役」といい、合同会社では「代表社員」といいます。
このために、合同会社の経営者である場合には、名刺等に「代表取締役」と記載することはできません。
ただし、「社長」「CEO」「常務」「専務」等は、法律用語ではありませんので、合同会社の経営者であっても、このような名称を名刺等に記載することは可能です。
合同会社の社長の場合、「代表社員 社長 ○○」と記載されている場合が多いです。
④社会的認知度 高い 低い 合同会社は、比較的新しく作られた会社種類ですので、社会的認知度は、株式会社に較べて、低くなります。
このために、企業を相手としたビジネスを行う場合等に不利に働くことがあります。
他方、一般消費者を相手とするビジネスでは、さほどの不利はないかもしれません。

 

 

4.「株式会社」「合同会社」の設立費用の比較

1)紙定款か電子定款かの違いによる設立費用の違い

会社設立に掛る費用につきましては、まず、定款を「紙で作成する」のか、「電子定款※1として作成する」のかにより定款に貼る印紙代(4万円)の違いがでます。
これは、定款をどのように作成するかの問題であり、株式会社であろうが合同会社であろうが同じ金額の違いが生じます

 

2)株式会社か合同会社かの違いによる設立費用の違い

次に、株式会社の設立においては、定款公証役場で認証※2してもらうことが必要となります。この「定款認証の手数料」として5万2千円が掛ります。
また、設立登記のために必要な「登録免許税15万円掛ります。

他方、合同会社については、定款の公証役場での認証は不要です。このため、株式会社のように公証役場での定款認証手数料が発生しません。
また、設立登記のために必要な「登録免許税6万円で済みます。

 

3)株式会社と合同会社の設立に係る費用

このことから、株式会社では設立にあたっては、最低20万円程度が必要となりますが、合同会社では6万円程度で設立が可能となります。
この設立費用の違いが、会社設立時における株式会社と合同会社の設立の大きな違いとも言えます。
(設立費用は、下記表をご覧ください。)

株式会社の設立費用
  紙の定款の場合 電子定款の場合
①公証人手数料 52,000円 52,000円
②定款印紙代 40,000円 0円
③登録免許税 150,000円 150,000円
合計 242,000円 202,000円

 

合同会社の設立費用
  紙の定款の場合 電子認証定款の場合
①公証人手数料 0円 0円
②定款印紙代 40,000円 0円
③登録免許税 60,000円 60,000円
合計 100,000円 60,000円
脚注

※1【電子定款】
定款の原本を電子文書で記録したものです。定款の原本を紙で作成した場合には、紙定款に4万円印紙を貼る必要があるのですが、電子文書(電磁的記録)が定款の原本となりますので、印紙税が不要となります
電子定款の場合、定款原本はCD‐Rに収納された電子文書になります。
ただ、公証役場で、定款謄本の取得が可能ですので、紙媒体の定款謄本も手元に保管可能です。
現在、印紙代金の節約のために、会社設立にあたっては、電子定款を作成するお客様がほとんどです。(なお、弊社のお客様は100%が電子定款を作成して設立を行っています。)

※2【公証役場での定款の認証】
株式会社の定款は、単に定款を作成したのみでは法律上有効な定款としては認められません
公証役場での認証が完了して、法律上、定款としての効力が生じます。
このため、株式会社の設立においては、必ず定款の公証役場での認証が必要となります。

 

東京税理士事務所

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