合同会社と株式会社の特色比較②(会社経営機関)

合同会社では「合同会社と株式会社の特色①」でご説明させて頂きましたように「出資者と経営者は、法律上一致するもの」であるため、法律上「会社経営を行う者(会社経営機関)」を別途規定する必要はありません。
他方、株式会社においては、「出資者と経営者は、別の存在」という前提がありますので、法律上、「会社経営を行う者(会社経営機関)」を別途厳格に規定する必要があります。

この会社経営機関が法律上別途規定されているか否かが、そのまま合同会社の特色、株式会社の特色となっています。以下で、会社経営機関につき、両者の特色を記載致します。

合同会社の経営機関の特色

【原則規定】
合同会社では「出資と経営が一致している(出資者と経営者は同じ)」ために、「会社経営は出資者が行う」という規定を置くことで十分です。このため、合同会社においては、法律上、特段、会社経営機関についての規定は存在しません

【例外規定①:業務執行社員制度
合同会社の出資者(社員)には、出資はするが、会社経営はしたくないという人も存在します。
法律(会社法)では、このような要請に対処するために「業務執行社員」の規定を設けています。

法律上は原則として、出資者は会社経営権(業務執行権、会社代表権)を持つのですが、定款※1で別途「業務執行社員」を規定することにより、同時に「業務執行権を持たない社員」を会社内部の規定で創り出すことを認めています。
この制度を採用することにより、会社の自治で、社員を「業務執行権を持つ社員(業務執行社員)」と「業務執行権を持たない社員」に分けることができます。

【例外規定②:会社代表社員制度】
業務執行社員が複数存在する場合、契約書等に署名する社員の名前が頻繁に変わると、取引先にとっては、混乱が生じたり、その都度その人に会社代表権があるのかを調べないといけない等の不都合が生じる場合があります。そのため、会社代表権をもつ社員を限定したいという合同会社も存在します。
法律上、このような要請に対処するため「代表社員」の規定を設けています。

法律上は原則として、出資者は会社経営権(業務執行権、会社代表権)を持つのですが、定款で別途「代表社員」を規定することにより、同時に「代表権を持たない社員」を会社内部の規定で創り出すことを認めています。
この制度を採用することにより、会社の自治で、社員を「代表権を持つ社員(代表社員)」と「代表権を持たない社員」に分けることができます。

【例外規定の持つ意味】
留意すべきことは、上記の「業務執行社員」「代表社員」制度は、定款により規定されるということにあります。
法律(会社法)上は、原則として「出資者は会社経営権」を持つ存在としつつ、会社の自治の範囲(定款)で、法律上の原則規定の例外として、これらの制度を置くことを認めているにすぎないのです。

※1:定款
法律(会社法)で規定されるルールに反しない限りにおいて、会社自身が自主的に定めることができる会社の自治規則(目的・組織・活動・構成員・業務執行等の規則)です。

 

株式会社の経営機関の特色

【株式会社の会社経営者】
 株式会社では「出資と経営が分離している(出資者と経営者は別の存在)」ために、出資者(株主)とは別に会社経営者を法律上規定することが必要になります
法律(会社法)が、株式会社の会社経営者として規定している者(機関)が、「取締役」(「取締役会」「代表取締役」)です。

これらの機関は、合同会社とは異なり、法律が株式会社において設置しなければならないものとして規定したものです。従いまして、株式会社を設立する場合には、出資者(株主)とは別に必ず「取締役」となる人を決定(選任)することが必要となります。また、それぞれの機関が持つ会社経営権につきましても法律で規定されています。

【株式会社の出資者と会社経営】
株式会社においては、会社経営者が出資者(株主)とは別に存在するために、原則、出資者が直接会社経営に参加することはできません。ただし、出資者が一切会社経営に関与できないとすると、会社経営者が出資者を無視して好き勝手経営してしまうリスクがあります。
このリスクに対応するために、法律は、出資者に以下の権限を与えて、出資者が会社経営に関与できる余地を残しています
・株式会社の出資者(株主)の集合体である「株主総会」の決議で、「取締役を選任する」権限を与えています。これにより、出資者は、人事権を通じて、会社経営に間接的に関与することができます。
・また、株式会社の非常に重要な経営事項(事業の全部や重要な一部の譲渡、事業の全部の譲受け、事業の全部の賃貸、解散等)については、株主総会の決議を経なければ、会社が実行することができないという規定を設けています。これにより、非常に重要な経営事項には、株主自らが、直接的な業務執行の意思決定を行うことができるようにしています。

 

株式会社の取締役に与えられる権限の違い

同じ株式会社であっても、法律(会社法)上、「取締役会※1を設置しない会社」と「取締役会を設置する会社」では、取締役に与えられる権限は異なります。
以下、取締役の権限、会社経営機関の権限につき、「取締役会を設置しない会社」と「取締役会を設置しない会社」に分けて、ご説明いたします。

※1取締役会
取締役で構成され、取締役の多数決により、「株式会社の業務執行の決定」等を行う合議体です。
株式会社においては、「取締役会を設置するか否か」は、定款で定めることができ会社の任意で設置することができます。
⇒取締役が3名以上であっても、取締役会を設置したくない場合には、取締役会を設置する必要はありません
ただし、「定款に株式譲渡制限を設けていない会社」等では、取締役会を置く必要があります
⇒これにつきましては、殆どの場合、設立時の定款で「株式の譲渡制限」の規定を置きます。弊社に会社設立を依頼して頂いた場合には、この制限を設けて定款を作成致しますのでご安心下さい。

 

取締役会を設置しない会社

【原則規定】
「取締役会を設置しない株式会社」においては、会社経営を行うのは「取締役」です。
すなわち、法律上、取締役が、原則業務執行権及び会社代表権を持っています。
このため、会社の業務を行い、会社を代表するのは、すべて取締役が行います(取引先との契約を現実に締結し、契約書に記名押印するのは取締役が行います。)。

【例外規定①:代表取締役制度】
「取締役会を設置しない株式会社」においては、「取締役」が会社代表権も持ちます。このため、このような株式会社においては、「代表取締役」を別途定める必要はありません

ただ、取締役が複数存在する場合、契約書等に署名する取締役の名前が頻繁に変わると、取引先にとっては、混乱が生じたり、その都度その人に会社代表権があるのかを調べないといけない等の不都合が生じる場合があります。そのため、会社代表権をもつ取締役を限定したいという株式会社も存在します。
法律上、このような要請に対処するため「代表取締役」の規定を設けています。

法律上は原則として、取締役は会社経営権(業務執行権、会社代表権)を持つのですが、定款や決議等で別途「代表取締役」を規定することにより、同時に「代表権を持たない取締役」を会社内部の規定や決議で創り出すことを認めています。

【例外規定の持つ意味】
留意すべきことは、上記の「代表取締役」制度は、会社内部の決定により規定されるということにあります。
法律(会社法)上は、原則として「取締役は会社経営権」を持つ存在としつつ、会社の自治の範囲で、法律上の原則規定の例外として、これらの制度を置くことを認めているにすぎないのです。

 

取締役会を設置する会社

【原則規定】
「取締役会を設置する株式会社」においては、会社経営を行うのは、「業務執行取締役」(「代表取締役」を含む)です。
「取締役会を設置する株式会社」においては、3名以上存在する「取締役」の中から、特に業務執行権を持つ「業務執行取締役」及び業務執行権・会社代表権を持つ「代表取締役」を「取締役会」で選任します。(この場合、代表取締役は必ず決めなければなりません。)
そして、会社経営の内、業務執行については、「業務執行取締役」「代表取締役」が行い、会社代表については、「代表取締役」が行います。

【取締役の権限】 「取締役会を設置する株式会社」においては、「取締役」は単独では会社の業務執行権、会社代表権を持ちません。このような株式会社の「取締役」の権限は主として以下の権限を持つのみとなります。 ・「取締役」全員で「取締役会」を構成し、「取締役会」の多数決議により、業務執行権を持つ「業務執行取締役」や業務執行権及び会社代表権をもつ「代表取締役」を選任します

・「取締役会」の多数決議により、業務執行取締役や代表取締役が実行する「業務執行の意思決定」を行います。この点、業務の実行を通じてではなく、「業務執行の意思決定」を通じて、会社経営に関与します。

 

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